Always 3丁目の夕日
監督山崎貴
制作年2005
制作国日本
出演俳優

堤真一鈴木則文

薬師丸ひろ子鈴木トモエ

小清水一揮鈴木一平

堀北真希星野六子(ほしのむつこ)

小雪石崎ヒロミ

吉岡秀隆茶川竜之介(ちゃがわりゅうのすけ)

須賀健太古行淳之介(ふるゆきじゅんのすけ)

もたいまさこ大田キン

三浦友和宅間史郎先生

麻木久仁子宅間の妻

重本愛瑠宅間の娘

小日向文世川渕康成

小木茂光佐竹

奥貫薫古行和子

石丸謙二郎静夫

温水洋一自転車屋・吉田

木村祐一電気屋

ピエール瀧氷屋

感想(2012.01.26:Thu) 昭和33年の下町を舞台とした映画
当時、建設中だった東京タワーが徐々に出来上がっていく様子と
映画が平行して進んで行きます。
映画の始めには、およそ5分の1ほど建設が完了した東京タワーが映し出され
映画の途中で、それが半分ほど建設完了、7割ほど建設完了が映し出され
ラストシーンでは、夕日を背景に、完成した東京タワーが映し出されます
東京タワーが効果的に使われています。

さて、この映画、予備知識がないままに観たのですが
最後のほうまで、「誰が主役かわからない状態」で観ていたという間抜けっぷりでした。
就職のために青森から上京した星野六子(堀北真希)が登場したときには
「わぁ、堀北真希ちゃんが主役かぁ! こりゃイイ映画だ」
と思ったのですが、他の出演者の話も展開してきて
「誰が主役かわからない状態」に陥ってしまいました(笑)
一平くん(小清水一揮)と淳之介くん(須賀健太)がお母さんを探しに旅に出るあたり
「淳之介くんが主役かナァ」と思ったほどです。
帰りの電車賃が足りなくて、途方に暮れる一平君と淳之介君
一平君は、上着のヒジの部分にお母さん(薬師丸ひろ子)が、お守りを縫い込んでくれたのを思い出しました。
ヒジの部分の継ぎ当て。
格好悪いので、一平君は気に入っていませんでした。
「ここにお守り入れておいたから、困ったときには開けてね」
と、お母さんが言ったのに、一平くんは
「要らないやい!」
と、家を飛び出してしまうのです。
でも、帰りの電車賃が足りなくて途方に暮れた今、お母さんの言葉を思い出しました。
ヒジの継ぎ当てを開いてみると、、、
「困ったら使いなさい」
という手紙と、画面では良く見えませんでしたが、多分、100円札が入っていました。
その手紙が、画面に映し出されたときは、さすがの僕もじ〜んときました。
そうです! これが愛情というものです! 優しさというものです!

話は前後しますが、淳之介くんは、両親がいなくて、
売れない作家「茶川竜之介(吉岡秀隆)」の家にひょんなことから引き取られていました。
最初は淳之介君の存在を迷惑に思っていた茶川竜之介でしたが、
一緒に暮らすうちに、父親らしい感情が育っていったのでしょうね。
借金をしてまで、淳之介君にクリスマス・プレゼントを買ってあげました。
そして、もう1つのプレゼント。
石崎ヒロミ(小雪)に指輪を渡してプロポーズします。
竜之介が指輪の箱を差し出して、中を開くと、そこには指輪は入っていませんでした。
「スマン。このとおりだ。金が、、、、、箱しか買えなかった」
なんだか、この映画で一番イイせりふでした。
しかし、翌朝早く、小雪は家を出てしまいました。
父親の入院費用がかさみ、借金が多かったという事で、キャバレーに行くことになったのです。
もぬけのからになった小雪の家を訪れて愕然とする竜之介。
しょげて自宅に戻ると、もう1つの別れが待っていました。
一緒に暮らしている淳之介君の父親と名乗る男性が訪ねて来たのです。
ツライ別れ。
竜之介は、淳之介君を抱きしめることはせず、突き放すようにして別れました。
ひろみが黙っていなくなってしまい、淳之介君とも突然の別れ。
竜之介にとってはダブル・パンチです。
「ま、大したことじゃないか・・・・・」
と、つぶやいた竜之介は、突然部屋で暴れだし、部屋をメチャクチャにしてしまいました。
そして部屋を飛び出して、淳之介君の去っていった方角に走っていきます。
勢い余って転倒。起き上がって前を見ると、別れたばかりの淳之介君が立っていました。
淳之介君は、父親の元を抜け出して戻ってきたのです。
互いに駆け寄る竜之介と淳之介君。
熱い抱擁かと思って観ていると、竜之介は淳之介君を突き放し、
「バカ! なんで戻ってきたんだよ!! 行っちまえよ!!」
だけど、淳之介君は竜之介に駆け寄ります。
何ども突き飛ばされて転倒しても、起き上がって首を振りながら、竜之介に駆け寄ります。
このシーン、淳之介君を演じる須賀健太くんに主演男優賞をあげたいほどです!!
そして淳之介君が駆け寄ること3回目にして、竜之介と淳之介君はついに抱き合いました。
この映画で一番感動的なシーンです。

さて六子(むつこ)の話を忘れていましたが、
六子はクリスマス・プレゼントに社長から、青森に帰省する列車の切符をもらいました。
でも六子(むつこ)の心は複雑です。
帰省する予定の日、六子(むつこ)は列車の切符を社長に返して言いました。
「上京する日に、母に言われたんです。『口減らしができた』と。だから帰る家なんて無いんです!」
言い捨てて、六子(むつこ)は自分の部屋に篭ってしまいました。
その後、手紙の束を持って、六子(むつこ)の部屋を訪れるトモエ。
「お母さんからね。毎月手紙が来ていたのよ。子どもの顔を見たくない親なんて居ないわ。これを読んで」
と優しく語り掛けました。
手紙を読む六子(むつこ)は、手紙の上に涙をこぼしました。
そして意を決したかのように帰郷の列車に乗りました。
列車と平行して、社長一家が見送り。
そしてラストシーンへ。
夕日を背景に、完成した東京タワーが映し出されます

いや〜、イイ映画でした。   

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