046:曾禰好忠(そねのよしただ)
百人一首の46番目の作品は、曾禰好忠(そねのよしただ)の作品です。

曾禰好忠は、生没年不詳です。

丹後の国(現在の京都府の北部)の役人を長く勤めていたことから、曾丹(そたん)と呼ばれるようになったそうです。

曾禰好忠の「曾」と丹後の国の「丹」の字をとってそう呼ばれました。

しかし、曾禰好忠自身は、曾丹と呼ばれることがイヤだったようです。






そんな曾禰好忠が百人一首に残した作品は、、、

♪ 由良の門を 渡る舟人 かぢを絶え 行方も知らぬ 恋の道かな

です。

読みは、

♪ ゆらのとを わたるふなびと かじをたえ ゆくえもしらぬ こいのみちかな

となります。

「由良の門」とは、丹後の国の由良川の河口付近のことです。

由良の門を (由良川の河口を)
渡る舟人  (小舟で渡る船頭さんが)
かぢを絶え (舵を無くしてしまいました)
行方も知らぬ(この先どうなるかわからない)
恋の道かな (私の恋のようです)

由良川の河口は、流れが速いのだそうです。

・・・そこを小舟で渡る船頭さんが、あろうことか大切な舵を水に落としてしまいました。
・・・小舟をコントロールすることが出来なくなって、流れにさまよっています。
・・・その様子は、私の恋がこの先どうなってしまうのかわからないよすに似ています。

という歌です。

この歌はお気に入りです(笑)

曾禰好忠の恋。

相手に想いを告げたら受け入れてくれるだろうか?

嫌われてしまうだろうか?

この先、曾禰好忠の恋がどういう展開になるかわからないで居る様子を、

由良川の河口で舵を無くしてさまよっている船頭さんに例えているのです。





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