041:壬生忠見(みぶのただみ)
百人一首の41番目の作品は、壬生忠見(みぶのただみ)の作品です。

生没年不詳。30番でご紹介した壬生忠岑(みぶのただみね)の息子です。

壬生忠岑・壬生忠見、親子で三十六歌仙に名を連ねています。





壬生忠見が百人一首に残した作品は、、、

♪ 恋すてふ わが名はまだき 立ちにけり 人知れずこそ 思ひそめしか

です。

読みは、

♪ こいすちょう わがなはまだき たちにけり ひとしれずこそ おもいそめしか

となります。

歌の意味は、40番でご紹介した平兼盛(たいらのかねもり)の

♪ しのぶれど 色に出でにけり わが恋は ものや思ふと 人の問ふまで

と似ています。

恋すてふ   (恋しているという)
わが名はまだき(私の噂が早くも)
立ちにけり  (立ってしまった)
人知れずこそ (人に知られないように)
思ひそめしか (思い始めたばかりなのに)





40番で触れましたが、この歌は960年に第62代:村上天皇が開いた

「天徳内裏歌合(てんとくだいりうたあわせ)」

で壬生忠見が詠んだそうです。

お題が「忍ぶ恋」。

百人一首の40番に登場した平兼盛(たいらのかねもり)の歌と優劣を競い合いました。

しかし、どちらも甲乙つけがたい歌だったため、判定に困ってしまったそうです。

そのとき、村上天皇が、平兼盛の歌を口ずさんだことで、壬生忠見の負けとなったそうです。

敗れた壬生忠見は、ショックで食べ物が食べられなくなって亡くなったそうです。

ちなみに壬生忠見は、天徳内裏歌合(てんとくだいりうたあわせ)で、

12番目に平兼盛と争い、やはり敗れています。

14番目に藤原元真(ふじわらのもとざね)との勝負では、引き分け。

15番目に再び平兼盛と勝負して、勝っています。





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