040:平兼盛(たいらのかねもり)
百人一首の40番目の作品は、平兼盛(たいらのかねもり)の作品です。

平兼盛は、生没年:???年〜991年の歌人で三十六歌仙の一人です。





平兼盛が百人一首に残した作品は、、、

♪ しのぶれど 色に出でにけり わが恋は ものや思ふと 人の問ふまで

です。

読みは、

♪ しのぶれど いろにいでにけり わがこいは ものやおもうと ひとのとうまで

となります。

意味は、

しのぶれど  (こらえていたけれど)
色に出でにけり(顔色に出てしまった)
わが恋は   (私の恋は)
ものや思ふと (何を物想いしているのかと)
人の問ふまで (人が尋ねるほどに)

「色」は「顔色」のことです。

「何か物思いにふけってらっしゃいますね? ひょっとして恋でもされましたか?」

と人に問いかけられて、自分の気持ちが顔色に出てしまったことに気が付いた、という歌です。





この歌は960年に第62代:村上天皇が開いた

「天徳内裏歌合(てんとくだいりうたあわせ)」

で、ラストの20番目に平兼盛が詠んだそうです。

お題は「恋」。

百人一首の41番に登場する壬生忠見(みぶのただみ)の歌と優劣を競い合いました。

壬生忠見も天徳内裏歌合(てんとくだいりうたあわせ)に、20番目に登場したのです。

しかし、どちらも甲乙つけがたい歌だったため、判定に困ってしまったそうです。

判定する審判は、左大臣(さだいじん)の藤原実頼(ふじわらのさねより)でした。

そのとき、村上天皇が、平兼盛の歌を口ずさんだことで勝ちとなったそうです。

ちなみに、平兼盛は天徳内裏歌合(てんとくだいりうたあわせ)に、

1番目・2番目・3番目・8番目・15番目に出て、負け。

4番目・6番目・9番目・12番目・20番目に出て勝ち。

13番目に出て引き分け。

という成績だったそうです。





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