039:参議等(さんぎひとし)
百人一首の39番目の作品は、参議等(さんぎひとし)の作品です。

参議等は、本名を源等(みなもとのひとし)といいます。

生没年は、880年〜951年で、第52代:嵯峨天皇の曾孫です。

参議とは、11番:参議篁(さんぎたかむら)で、ご紹介しましたが、

当時の日本の最高機関である太政官(だいじょうかん)の役職のひとつです。

源等は、この太政官で参議を勤めていたため、参議等と呼ばれました。

三河守・丹波守・美濃権守・備前守と地方の役人を勤めたのちに、

第62代:村上天皇が即位した翌年の947年に参議になりました。







参議等が百人一首に残した作品は、、、

♪ 浅茅生の 小野の篠原 しのぶれど あまりてなどか 人の恋しき

です。

読みは、

♪ あさじうの おののしのはら しのぶれど あまりてなどか ひとのこいしき

となります。

この歌は、「古今集」の

♪ 浅茅生の 小野の篠原 忍ぶとも 人知るらめや いふ人なしに

という歌から、本歌取りしたようです。

参議等には好きな女性がいて、その気持ちを耐え忍んでいました。

浅茅生の   (丈の短い『ちがや』がまばらに生えている)
小野の篠原  (篠竹の生えている野原)
しのぶれど  (その『しの』ではないけれど、忍ぶれど)
あまりてなどか(あふれるほどに、どうしてなのか?)
人の恋しき  (あなたが恋しい)

「ちがや(茅)」とは、イネ科の植物で、下の写真が「ちがや」です。





「小野」の「小」は、接頭語です。「小野」は「野原」という意味です。

「浅茅生の 小野の篠原」までの1句・2句が、3句の「しの」を引き出す序詞(じょことば)です。

野原一面に生えている篠竹、さらにところどころに茅(ちがや)が生えている風景。

参議等は、それを美しいと感じていたようです。

その美しい風景を序詞(じょことば)に用いています。

そして「しの」の音を引き出しておいて、

♪ しのぶれど(我慢していたけれど)

と繋げています。

「人の恋しき」の「人」は、恋をしている相手を指しています。

参議等は、この歌を恋の相手に贈ったそうです。

美しい風景の描写とあふれる恋の心。

この歌を受け取った相手には、参議等の気持ちが伝わったでしょうか?





inserted by FC2 system