033:紀友則(きのとものり)
百人一首の33番目の作品は、紀友則(きのとものり)の作品です。

紀友則の生没年は、845年?〜907年です。

三十六歌仙の一人です。





紀友則が百人一首に残した作品は、、、

♪ 久方の 光のどけき 春の日に しづ心なく 花の散るらむ

です。

読みは、

♪ ひさかたの ひかりのどけき はるのひに しずこころなく はなのちるらん

となります。

久方の   (光にかかる枕詞)
光のどけき (日の光が穏やかな)
春の日に  (春の日に)
しづ心なく (落ち着いた心が無く)
花の散るらむ(桜の花が散ってしまうのは、どうしてだろう?)

「久方の」は、第二句の「光」にかかる枕詞(まくらことば)です。

「光」以外に、天・空・日・月・雨・雲などにかかります。

(「久方の」が「雲」にかかる歌が、百人一首の76番に登場します)






ある日、紀友則は、従兄弟の紀貫之(きのつらゆき)と一緒に宴を催していました。

桜の花が吹雪のように散るのを見て、

♪ 久方の 光のどけき 春の日に しづ心なく 花の散るらむ

と詠んだそうです。

桜の花がどんどん散っていく様子を見て、落ち着きが無い印象を受け、

♪ しづ心なく 花の散るらむ

  落ち着いた心が無く桜の花が散ってしまうのは、どうしてだろう?

と詠んだのでしょうね。



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