030:壬生忠岑(みぶのただみね)
百人一首の30番目の作品は、壬生忠岑(みぶのただみね)の作品です。

壬生忠岑の生没年は、860年〜920年です。

29番目の凡河内躬恒(おおしこうちのみつね)の所でご紹介したように、

壬生忠岑は、三十六歌仙のひとりです。

身分の低い役人だったようですが、歌人としては評価されていたようです。





壬生忠岑が、百人一首に残した作品は、、、

♪ 有明の つれなく見えし 別れより 暁ばかり 憂きものはなし

です。

読みは、

♪ ありあけの つれなくみえし わかれより あかつきばかり うきものはなし

となります。

壬生忠岑は、一夜を共にした女性から、「もう会えません」と突然の別れを告げられました。

そのつれない態度を悲しんで、この歌を詠みました。

有明の    (有明の月のように)
つれなく見えし(あなたがつれなく見えて)
別れより   (別れを告げられた、その日以来)
暁ばかり   (夜明けほど)
憂きものはなし(憂鬱なものは無い)

壬生忠岑の目には、「有明の月」がつれないものに見えました。

そのつれない有明の月のように、ある朝、愛する女性から突然別れを告げられました。

その日以来、壬生忠岑は、夜明けというものが憂鬱なものになってしまいました。



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