029:凡河内躬恒(おおしこうちのみつね)
百人一首の29番目の作品は、凡河内躬恒(おおしこうちのみつね)の作品です。

凡河内躬恒は、生没年は、859年?〜925年?の歌人・役人です。

三十六歌仙の一人です。

ここら辺で、三十六歌仙についてご説明しましょう。

三十六歌仙とは、藤原公任(ふじわらのきんとう)の

『三十六人撰』に載っている和歌の名人36人の総称です。

お名前を列挙すると、

1:柿本人麻呂(百人一首:3番に登場)
2:紀貫之  (百人一首:35番に登場)
3:凡河内躬恒(百人一首:29番に登場)
4:伊勢   (百人一首:19番に登場)
5:大伴家持 (百人一首:6番に登場)
6:山部赤人 (百人一首:4番に登場)
7:在原業平 (百人一首:17番に登場)
8:僧正遍昭 (百人一首:12番に登場)
9:素性法師 (百人一首:21番に登場)
10:紀友則  (百人一首:33番に登場)
11:猿丸大夫 (百人一首:5番に登場)
12:小野小町 (百人一首:9番に登場)
13:藤原兼輔 (百人一首:27番に登場)
14:藤原朝忠 (百人一首:44番に登場)
15:藤原敦忠 (百人一首:43番に登場)
16:藤原高光
17:源公忠
18:壬生忠岑 (百人一首:30番に登場)
19:斎宮女御
20:大中臣頼基
21:藤原敏行 (百人一首:18番に登場)
22:源重之  (百人一首:48番に登場)
23:源宗于  (百人一首:28番に登場)
24:源信明
25:藤原清正
26:源順
27:藤原興風 (百人一首:34番に登場)
28:清原元輔 (百人一首:42番に登場)
29:坂上是則 (百人一首:31番に登場)
30:藤原元真
31:小大君
32:藤原仲文
33:大中臣能宣(百人一首:49番に登場)
34:壬生忠見 (百人一首:41番に登場)
35:平兼盛  (百人一首:40番に登場)
36:中務

実に25人が百人一首に登場します。





凡河内躬恒(おおしこうちのみつね)が百人一首に残した作品は、、、

♪ 心あてに 折らばや折らむ 初霜の 置きまどはせる 白菊の花

です。

読みは、

♪ こころあてに おらばやおらん はつしもの おきまどわせる しらぎくのはな

となります。

意味は、

心あてに   (あてずっぽうに)
折らばや折らむ(折るなら折ってみようか)
初霜の    (初霜が)
置きまどはせる(降りて、場所がわからなくなった)
白菊の花   (白菊の花を)

となります。

「初霜が降りて、白菊の花なのか初霜なのか、わからなくなってしまった。あてずっぽうに折ってみようか」

という歌です。

正岡子規(まさおかしき)は、この歌を酷評していて、

「初霜が降りたくらいで、白菊が見えなくなるなんて、つまらぬ嘘の歌で、なんの値打ちもない駄歌である」

と言っています。

白菊と初霜が見分けがつかない、という発想は面白いと思います。



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