028:源宗于朝臣(みなもとのむねゆきあそん)
百人一首の28番目の作品は、源宗于朝臣(みなもとのむねゆきあそん)の作品です。

名前は、源宗于で、朝臣(あそん)というのは、苗字・名前とは別に天皇から賜る姓(かばね)というものです。

17番でご紹介した在原業平朝臣、18番でご紹介した藤原敏行朝臣なども、朝臣を名乗っています。

源宗于朝臣の生没年は、???年〜940年。

第58代:光孝(こうこう)天皇の孫で、皇族を離れて、源氏を名乗りました。

三十六歌仙の一人です。





源宗于朝臣が百人一首に残した作品は、、、

♪ 山里は 冬ぞさびしさ まさりける 人目も草も かれぬと思へば

です。

難しい仮名遣いはありませんが、読みは、

♪ やまざとは ふゆぞさびしさ まさりける ひとめもくさも かれぬとおもえば

となります。

字ずらでも意味がおおよそわかりますね。

山里は    (山里は)
冬ぞさびしさ (冬が寂しさが)
まさりける  (つのるなぁ)
人目も草も  (訪ねて来る人も草も)
かれぬと思へば(枯れてしまうと思うと)

「離れ」と「枯れ」が掛詞になっています。

昔は「離れ」と書いて「かれ」と読んだのだそうです。

「人も離れ、草も枯れ」という意味です。

「思へば」は、出だしの「山里は」に繋がります。

まとめると、

「訪ねてくる人も離れ、草も枯れてしまうと思うと、山里は冬の寂しさがつのるなぁ」

となります。

源宗于朝臣は、あまり出世できず、晩年を、都から離れた山里で寂しく暮らしていたそうです。



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