017:在原業平朝臣(ありわらのなりひらあそん)
百人一首の17番目の作品は、在原業平朝臣(ありわらのなりひらあそん)の作品です。

第51代:平城(へいぜい)天皇の孫で、

16番でご紹介した「在原行平(ありわらのゆきひら)」の弟です。

美男子だったそうです。

六歌仙・三十六歌仙の一人に名を連ねている歌人です。

生没年は、825年〜880年です。

東京に「業平橋」という橋がありますが、これは在原業平にちなんで命名されたそうです。





826年に兄:行平とともに臣籍降下して、「在原」の姓を賜りました。

臣籍降下とは、皇族が臣下の籍になることです。

朝臣(あそん)とは苗字とは別に賜る姓(かばね)というもので、

苗字・名・姓の順に名乗ります。

在原氏の他は、藤原氏・源氏・平氏などに「朝臣」のかばねが与えられています。




在原業平朝臣が百人一首に残した作品は、、、

♪ ちはやぶる 神代もきかず 竜田川 からくれなゐに 水くくるとは

です。

読みは、

♪ ちはやぶる かみよもきかず たつたがわ からくれないに みずくくるとは

「ゐ」の字は、「い」と発音します。

五十音のワ行に入っています。




♪ ちはやぶる 神代もきかず 竜田川 からくれなゐに 水くくるとは

の歌は、交際していた藤原高子(ふじわらのたかいこ:陽成天皇の母)に

依頼されて詠んだ歌です。

藤原高子は、竜田川の川面に紅葉が散り敷いた風景を描いた屏風を見せたそうです。

竜田川とは、奈良県の竜田山のほとりを流れる川です。

歌の意味は、

ちはやぶる  (神にかかる枕詞)
神代もきかず (神々が治めていた時代にさえ聞いたことがありません)
竜田川    (竜田川の水を)
からくれなゐに(からくれない色に)
水くくるとは (くくり染めにするとは)

唐紅色(からくれないいろ)とは、あざやかな紅色のことです。

唐紅色もくくり染めも調べてみましたが、それと分かる画像は見つかりませんでした。

まるで、唐紅色にくくり染めにしたように、

竜田川の川面に散り敷いた紅葉が美しかったのでしょう。




余談ですが、この歌は落語にも取り上げられています。

落語の意味は、歌本来の意味とは異なります。

You Tube で、落語の動画を見つけました。

「ちはやぶる」が「ちはやふる」に変えられています。

なぜそうなったのか、動画を見てくださいね。

「ちはやふる」前半

「ちはやふる」後半



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