009:小野小町(おののこまち)
百人一首の9番目は、小野小町(おののこまち)の作品です。

小野小町は、小野篁(おののたかむら)の息子の小野良真の娘であると言われています。

尊卑分脈(そんぴぶんみゃく)という書物(系図集)に記載があるそうです。

生没年は、825年頃〜900年頃。

しかし、小野篁の生没年が、802年〜853年であることから、小野篁の孫とするには、年代的に合わないようです。

小野篁が20代で孫が生まれたことになってしまいます。

小野小町は、絶世の美女と伝えられていますが、後ろ姿を描いたものばかりが残されており、

本当に美女だったかどうかは不明です。

また、小野小町のものとされる墓が、あちこちにあります。





そんな小野小町が百人一首に残した作品は、、、

♪ 花の色は うつりにけりな いたづらに 我が身世にふる ながめせしまに

です。

読みは、

♪ はなのいろは うつりにけりな いたづらに わがみよにふる ながめせしまに

となります。

意味は

花の色は (桜の花の色が)
うつりにけりな (すっかり色あせてしまいました)
いたづらに (はかないものです)
我が身世にふる (私の人生も時を経てしまいました)
ながめせしまに (長雨を見ているうちに)

となります。




小野小町は、在原業平(ありわらのなりひら)に想いを寄せていました。

けれども、在原業平には妻がいます。

叶わぬ恋を嘆きながら、

春の長雨(ながあめ)を見ていました。

桜の花の色が、あせていくのを見て、

自分の人生が過ぎていくのを悲しんでいるのです。

「ながめせしまに」は、

「長雨(ながあめ)」と「眺め(ながめ)」が、かけられています。

小野小町の片想いの相手、在原業平(ありわらのなりひら)は、17番に登場します。



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