007:安倍仲麿(あべのなかまろ)
百人一首の7番目は、安倍仲麿(あべのなかまろ)の作品です。

阿倍仲麻呂とも表記するようです。

生没年は、698年〜770年。

16歳のとき、遣唐使に同行して、唐(中国)に留学しました。

科挙という中国の公務員試験に合格します。

唐の国に35年住み、その後、51歳のとき、遣唐使の船で

日本に帰ろうとしますが、

船が漂流してしまい、唐の国に逆戻りしてしまいました。

結局、日本には帰れずに、唐の国で73歳で亡くなりました。





そんな安倍仲麿が百人一首に残した作品は、、、

♪ 天の原 ふりさけ見れば 春日なる 三笠の山に 出でし月かも

です。

読みは、

♪ あまのはら ふりさけみれば かすがなる みかさのやまに いでしつきかも

となります。

意味は、

天の原     (大空の)
ふりさけ見れば (遠くに目をやって眺めれば)
春日なる    (奈良の春日にある)
三笠の山に   (三笠の山に)
出でし月かも  (出ている月と同じことだろう)

です。





安倍仲麿が、日本に帰国することになり、

送別会が開かれた時に、故郷を懐かしんで詠んだ歌です。

大空を仰ぎ見れば月が出ていて、その月は、

遠い故郷の、奈良の春日の三笠の山に出ている月と同じなのだろうと、

懐かしんでいるのです。

安倍仲麿の想いは結局叶わず、安倍仲麿は、唐の国で生涯を閉じました。



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