006:中納言家持(ちゅうなごんやかもち) |
百人一首の6番目は中納言家持(ちゅうなごんやかもち)です。
生没年:718年頃〜785年。 本名は大伴家持(おおとものやかもち)。 中納言(ちゅうなごん)というのは、役職の名称です。 当事の日本の国家機関に「太政官(だいじょうかん)」という組織があり、 その組織の中の役職のひとつです。 太政官は、司法・立法・行政を司る最高国家機関です。 最高権力者が太政大臣(だいじょういじん)。 その下に、左大臣(さだいじん)・右大臣(うだいじん)があり、 その下に、大納言(だいなごん)・中納言(ちゅうなごん)・ 少納言(しょうなごん)と続きます。 さて、中納言家持が百人一首に残した作品は・・・・・ ♪ 鵲の 渡せる橋に 置く霜の 白きを見れば 夜ぞふけにける 読みは、 ♪ かささぎの わたせるはしに おくしもの しろきをみれば よぞふけにける です。 意味は 鵲の (かささぎが) 渡せる橋に (天の川に掛け渡すという橋。その橋のように見える宮中の階段に) 置く霜の (霜が降りている) 白きを見れば (その霜の白さを見ていると) 夜ぞふけにける (夜が更けたナァと思う) これは、中納言家持が、宮中で宿直をしていたときの歌です。 鵲という鳥は、七夕の夜に大空の天の川に羽を広げて橋のようにして、 織姫と彦星を会わせてあげる手助けをするのだそうです。 その鵲の渡した橋と宮中の階段が似ていて、その階段に霜が降りている。 それを見て、中納言家持は「夜が更けた」と思ったそうです。 |