003:柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ) |
百人一首の3番目は、柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)です。
生没年:660年頃〜720年頃。 百人一首の2番でご紹介した「持統天皇」と同時代の人ですが、 文献があまり無いようで、謎に包まれた人物のようです。 でも、沢山の短歌を残しています。 そんな柿本人麻呂の作品は、 ♪ あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の ながながし夜を ひとりかも寝む です。 この作品は、柿本人麻呂の作品ではないとする異論もあるそうです。 ♪ あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の ながながし夜を ひとりかも寝む 「あしびきの〜」、「山鳥の尾の〜」、「しだり尾の〜」と 「の〜」が続くことによって、詠う時に心地良さを感じます。 意味は・・・・・ あしびきの (「山鳥」の「山」にかかる枕詞) 山鳥の尾の (夜は雄と雌が離れて寝ると言う山鳥の尾の) しだり尾の (長く垂れ下がった尾のように) ながながし夜を (長い夜を) ひとりかも寝む (ひとりで寝ることになるのだろうか?) です。 柿本人麻呂には、密かに思いを寄せる人がありました。 しかしその人は帝(みかど)に仕える人でしたので、 愛していることが知れたら重い罪に問われてしまいます。 柿本人麻呂はそのことを悲しんで、この歌を作ったそうです。 恋しい人から離れて、 夜長のひとり寝を過ごさねばならぬつらさを詠んだ歌です。 |