002:持統天皇(じとうてんのう) |
百人一首の2番目は持統天皇(じとうてんのう)の作品です。
持統天皇は、 生没年:645年〜703年、第38代:天智天皇の次女です。 13歳の時に、 叔父の大海人皇子(おおあまのおうじ。後の第40代:天武天皇。天智天皇の弟) と結婚しました。 夫の天武天皇が亡くなって、第41代:持統天皇として即位(そくい)しました。 天皇の系図としては、 ・第38代:天智天皇 ・第39代:弘文天皇(天智天皇の長男) ・第40代:天武天皇(天智天皇の弟) ・第41代:持統天皇(天智天皇の次女) となります。 百人一首には、持統天皇をはじめ、女性の作品が21首収められています。 百人一首に収められている持統天皇の作品は、 ♪ 春すぎて 夏来にけらし 白妙の 衣ほすてふ 天の香具山 です。 読み仮名は、 ♪ はるすぎて なつきにけらし しろたえの ころもほすちょう あまのかぐやま となります。 「てふ」と書いて、「ちょう」と読みます。 「・・・と言う」という意味です。 作品の意味は・・・・・ 春すぎて (春が過ぎて) 夏来にけらし (夏が来たようです) 白妙の (白い夏の衣が干してあるのが見えます) 衣ほすてふ (昔から、衣を干す習慣があるという) 天の香具山 (神様が宿る、香具山に) 初夏の風景を詠んだ作品です。 当時の日本の首都は、奈良盆地にある「藤原京」でした。 そばには、香具山という山があります。 ある日、持統天皇が景色を見ていたら、 香具山に白く点々と見えるものがあって、 そばに居る人に尋ねたら、香具山は神様が宿ると信仰されている山で、 神事に仕える巫女さんたちが夏の衣を干している、とのことでした。 この作品は、百人一首を取り纏めた藤原定家(ふじわらさだいえ)が 「新古今集」から、取り上げた作品ですが、 元の作品が「万葉集」にあって、その作品は、 ♪ 春すぎて 夏来るらし 白栲の 衣乾したり 天の香具山 です。 読み仮名は、 ♪ はるすぎて なつきたるらし しろたえの ころもほしたり あめのかぐやま となります。 新古今集は鎌倉時代初期の短歌集ですから、 持統天皇自身が読み替えたものではないようです。 You Tube にこの作品を歌にしたものがありました。 春から夏にむかう、さわやかな雰囲気の歌です♪ http://www.youtube.com/watch?v=UNzNayKf-30 |